【フコキサンチン】
フコイダンは、糖が多数連なっているその特有の構造を持っていることにより、様々な成分を付着しており、バランスのとれた栄養分と機能性成分を有しています。このような特性がフコイダンのアポトーシス誘導作用、免疫力賦活作用をはじめとした様々な優れた機能性に起因していると考えられています。
以前、フコイダンには抗酸化作用があるということを紹介したことがあります。
その抗酸化能の効果はフコイダンの中にポリフェノールやフコキサンチンといった抗酸化物質が含まれていることによります。ポリフェノールは皆さんご存知だとは思いますが、茶、ハーブなどの食用植物、薬用植物、赤ワイン、ブドウに含まれています。フコキサンチンはモズク、ワカメなどの褐藻類にしか含まれていないカロテノイドで、これまでにフコキサンチンには神経芽腫(1)や大腸癌の発ガン(2)抑制などの報告がされています。また最近においては、フコキサンチンがカスペースカスケードに依存してアポトーシスを誘導していることが報告がされています(3)。つまりこのフコキサンチンにはアポトーシス誘導による抗腫瘍効果があると考えられています。またフコイダンにも同様の抗腫瘍効果が報告されていますが、前述しましたように高分子多糖体という構造を持つために様々な成分を付着させていると考えられており、その中にこのフコキサンチンも含まれている可能性があります。しかし現時点では安定性が悪いためになかなか抽出することが困難な状態です。フコイダンのアポトーシスに関しては硫酸基が多いものが誘導しやすいのではといわれ、ある種のカスペースによりアポトーシスを誘導してくることも分かってきましたが、このフコキサンチンがカスペースカスケードに依存してアポトーシスを誘導していることも併せて考えればさらに意義のあることだと考えます。今後、新たな機能性の解明と効果的な利用法の開発に関して、精力的な研究に期待したいと思います。
■参考文献
(1)J.Okuzumi, H.
Nishino, M. Murokoshi et al., Inhibition
effects of fucoxanthin, a natureal carotenoid,
on N-myc ezpression and cell cycle progression
of human malignant tumor cells, Cancer
lett.,55 75-81(1990)
(2)J. M. Kim, S. Araki, D. J. Kim et
al., Chemopreventive effects of carotenoids
and curcmins on mouse colon carcinogenesis
after 1,2-dimethyl-hydrazine initation,
Carcinogenesis, 19, 81-85(1998)
(3)細川雅史, がん細胞を自滅させる海藻カロテノイド, BIO INDUSTRY,
21, 52-57(2004) |