ご挨拶

NPOフコイダン研究所 理事長 里山 俊哉

 私どもNPOフコイダン研究所は、2003年の設立以来20年以上にわたり、当研究所と関わりのある病院の臨床データや九州大学の寄附講座での研究データ等に基づいて、フコイダンに関する様々な情報を発信してまいりました。
 日本人の平均寿命は年々伸び続け、2019(令和元)年における日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳と世界でも有数の長寿国となりました。この平均寿命は今後も伸びる見通しとなっております。
 2000年にWHO(世界保健機関)が「健康寿命」を提唱しました。この健康寿命とは「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」を指します。つまり、単に平均寿命が延びれば良いのではなく、いかに健康寿命と平均寿命の差を減らすかが大切な問題となっています。日本の現状はというと、2019(令和元)年における日本人の健康寿命は男性が72.68歳、女性75.38歳です。
 平均寿命との差は、男性が約9年、女性が約12年で、日常生活に制限のある、健康でない期間となります。※1
 また、65歳以上の要介護者は男性が約220万人、女性が約470万人と年々増加傾向にあり、その中でも一般的に寝たきりに相当する要介護4と要介護5の方は約150万に上ります。できるだけ「寝たきり」にならないように人の健康に寄与し、楽しく長い人生に役立つこと、これは大変重要な私どもの役割の一つです。※2
 私どもはフコイダン研究所を通して「健康寿命の延長」と「予防医学」というキーワードを提唱します。人は自ら自分の健康に気を付けなければならないということです。
 フコイダンは、腫瘍免疫の活性化を導くことが基礎研究で明確に示されており、臨床においてもフコイダンを単独投与あるいは一般的な癌治療と併用した際に腫瘍病変の縮小、免疫機能の維持および抗癌剤や放射線治療の副作用の緩和を認めた実例が数多くあります。また、抗腫瘍免疫は、アレルギーの抑制やウイルス感染防御などにも深く関わっており、幅広い分野への適用が期待されます。さらに、フコイダンは優れた抗酸化作用を示す難消化性の水溶性食物繊維であり、血液性状の改善や血清脂質の低下など健康維持に有効な機能性を有する食品素材であると考えられます。
 私どもはフコイダンの機能を徹底的に解析し、実証データを取りながらその免疫機能を研究することで、皆様の健康な人生形成のお役に立てるよう努力して参る所存です。

※1…厚生労働省 eヘルスネット「健康寿命と平均寿命」 ※2…令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)

NPOフコイダン研究所 理事長 里山 俊哉

1980年に九州大学大学院農学研究院修士課程を修了後、財団法人日本食品分析センターに入所し、東京本部にて農薬の残留分析業務に従事する。その後、名古屋支所、大阪支所及び九州支社にて各種分析、管理業務に従事した後、2007年から九州支所長に就任。2013年に退職後、2014年から株式会社久原本家食品 研究開発部の顧問に就任。2018年に退職後、2019年から株式会社九大アグリベンチャーの事業顧問に就任。2021年から九州大学大学院農学研究院食品免疫機能分析学寄附講座の特任准教授として、また2023年から同食品分析学分野の学術研究員として従事する。1999年に九州大学にて農学博士の学位を取得。

当法人は、「抗がん作用」「コレステロール低下作用」「血圧低下作用」「抗ウイルス作用」など
さまざまな生理機能が解明されている「フコイダン」について研究を行なっています。