ご挨拶

NPOフコイダン研究所 理事長 由田 哲司

 私どもNPOフコイダン研究所は2003年の設立当初より10数年の活動を行っております。今後の発展のため、もう一度その理念を考えながらご挨拶申し上げます。  
 日本人の平均寿命は年々延び続け、現在ではおおよそ男性79歳、女性86歳と世界でも有数の長寿国となりました。この平均寿命は今後も延びる見通しとなっております。
 2000年にWHO(世界保健機関)が「健康寿命」を提唱しましたが、この健康寿命とは、「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」というものです。つまり、単に平均寿命が延びれば良いのではなく、いかに健康寿命が平均寿命と同じになるかが大切な問題となっています。日本の現状はと言うと、男性の健康寿命がおおよそ70歳、女性は73歳です。
 平均寿命との差は、男性が約9年、女性が約13年であり、この期間は、日常生活に制限のある、健康でない期間となります。※1
 脳卒中や認知症、悪性新生物などを原因とする、要介護者の総数は男性32.8%、女性67.2%と、大変多くの方が寝たきりなどの状態であるというのが事実であり、できるだけ「寝たきり」にならないように人の健康に寄与し、楽しく長い人生に役立つこと、これは大変重要な私どもの役割の一つです。※2
 私どもはフコイダン研究所を通して「健康寿命の延長」と「予防医学」というキーワードを提唱します。人は自ら自分の健康に気を付けなければならないということです。
 フコイダンは、腫瘍免疫の活性化を導くことが基礎研究で明確に示されており、臨床においてもフコイダンを単独投与あるいは一般的な癌治療と併用した際に腫瘍病変の縮小、免疫機能の維持および抗癌剤や放射線治療の副作用の緩和を認めた実例が数多くあります。また、抗腫瘍免疫は、アレルギーの抑制やウイルス感染防御などにも深く関わっており、幅広い分野への適用が期待されます。さらに、フコイダンは優れた抗酸化作用を示す難消化性の水溶性食物繊維であり、血液性状の改善や血清脂質の低下など健康維持に有効な機能性を有する食品素材であると考えられます。
 私どもはフコイダンの機能を良く解析し、実証データを取りながらその免疫機能を通して、人の健康な人生形成のお役に立てるように頑張る所存です。

※1…平均寿命は厚生労働省「平成22年完全生命表」、健康寿命は厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」<厚生労働省「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」(平成24年7月)> ※2…平成22年国民生活基礎調査の概況(要介護者等の状況)

NPOフコイダン研究所 理事長 由田 哲司

九州大学農学部卒業後、カルピス株式会社に入社。東京研究所にて飲料、食品、医薬品に関する技術開発ならびに製品開発に従事する。
その後生産部門、マーケティング部門を経て、2003年より研究戦略部にて研究開発部門の統括などを歴任。機能性素材の研究開発に努める。
またその間、健康と食品懇話会、日本健康・栄養食品協会にて機能性食品のワーキンググループにも参加。2012年同社退職。

当法人は、「抗がん作用」「コレステロール低下作用」「血圧低下作用」「抗ウイルス作用」など
さまざまな生理機能が解明されている「フコイダン」について研究を行なっています。